【Review】トップリーグ2021 第7節 vs 日野レッドドルフィンズ

2021.04.16

ミッションは「5ポイント」。試合の入りを制圧し前半で4トライ先取

最終年度のトップリーグ、リーグ戦の最終第7節の相手は日野レッドドルフィンズ。日野が初昇格を果たしてからの2シーズン、リコーとの対戦はなかったため、今回がトップリーグでは初の対戦となった。

 

リコーは前節のNEC戦での勝利により、ホワイトカンファレンス3位が狙える状況が訪れていた。条件はこの日野戦でボーナスポイントも含めた5ポイントを獲得して勝利し、上位勢と対戦するNTTドコモとヤマハ発動機がともにノーポイントに終わった場合というもの。チームは自分たちでコントロールできる「5ポイント獲得」をターゲットに試合に臨むこととなった。

メンバーはNEC戦を踏襲しつつも、前節はリザーブに入っていたCTB栗原由太がトップリーグ初先発のチャンスをつかみ13番に。ロトアヘアアマナキ大洋が12番、メイン平はリザーブに回った。東京・駒沢オリンピック公園陸上競技場はよく晴れ、日陰でなければ上着もいらない陽気に。風も強くはなく、影響をあまり意識せずに済みそうなコンディションとなった。

 

リコーのキックオフで試合が始まる。自陣でパスをつないだ後、日野がキックを蹴り込む。これを受けたリコーは、SOアイザック ルーカスがスペースを探り、ランでサイドチェンジを図る。ここに強烈なプレッシャーをかけてくる日野だったが、リコーも素早くサポートしラックをキープ。パスをつなぐと、左サイドのWTBキーガン ファリアへ。少し乱れたパスを狙い鋭く前に出てきたディフェンスにはボールを渡さず、ファリアは前方のスペースをゲインし敵陣10m ラインを越える。

 

ラックからSOアイザック ルーカスからPR笹川大五、そしてCTB栗原に後方へ下げるパスをつないでディフェンスのプレッシャーをかわすと、一転鋭くキャリーする栗原。別のディフェンスが詰めると、その脇に走り込んだFL松橋周平にオフロードパスを通す。松橋は中央を抜けてゲインし、15m付近まで前進する。右へ出し、パスを受けたWTBネタニ ヴァカヤリアはその瞬間加速。相手のWTBにタックルもさせずに前に出ると、内側をフォローしていたSOアイザック ルーカスに戻す。ルーカスはそのまま右中間からインゴールに入り中央にトライ。CVもFBマット マッガーン成功させ、リコーが7−0と先制する。(前半3分)

 

再開後は、蹴り合いを経て日野がアタック。リコーはディフェンスでプレッシャーをかけチャンスをうかがっていく。リコー陣内に蹴り込まれたキックを、SOアイザック ルーカスがノックバックしたところに詰めた日野がハイタックル。リコーはPKで前進しハーフウェイ付近のラインアウトを得る。

 

これを奥で合わせ中央に走り込んだNO8エリオット ディクソンにつなぐと突破。そのすぐ横をフォローしたWTBヴァカヤリアに渡すと、40m弱を走り切って右中間にトライ。リコーは用意していたアタックでセットプレーからスコアしてリードを広げる。CVは外れたが12−0とした。(前半9分)

 

2トライを奪ったリコーは、さらに冴えたアタックを見せていく。WTBファリアの強いキャリーや、NO8ディクソンのエッジでの突破やタックルを受けた後のボールをキープする力が光る。そして、PR笹川から短いパスを受けキャリーしたHO武井日向からのオフロードパスがFBマッガーンに通る。タックルを受けたあとに離したボールがこぼれノックオンとなったが、その前にWTBファリアに対するハイタックルがあったとして、映像確認後にリコーにPKが与えられた。これをタッチラインの外に出しリコーが前進する。(前半11分)
 

ハーフウェイ付近、左サイドのラインアウトからリコーが攻める。ボールを回したあとに上げたハイパントがこぼれ、日野陣内10mライン付近でリコーボールのスクラムとなる。このスクラムを押し勝ったリコーが反則を奪う。PKで前進し、右サイド、ゴールまで10mほどの位置でラインアウトとする。

 

ラインアウトモールが細く長く伸び、推進力を得ていく。日野を押し込むとゴールまで5mの位置まで前進。ここで崩れたがオフサイドのアドバンテージが出たところで展開。SOアイザック ルーカスが狭いインゴールに落とすキックパスを見せたが、詰めたFBマッガーンには入らず。アドバンテージを見ていたレフリーが笛を吹く。リコーはPKを蹴り出し今度はゴールまで5mの位置でのラインアウトとする。再びモールを組んだリコーはここもしっかり押してインゴールに入るとHO武井が右中間にトライ。リコーが3連続トライを奪い、さらにリードを広げた。CVも決まり19−0。(前半16分)

 

この日、勝利だけではなくボーナスポイントも狙うリコーにとっては、この3トライ差を守り続ける必要があった。集中力を切らさずプレーするリコーは、失点のリスクを下げるべくエリア獲得を意識したキックを使い試合をコントロールしていく。

 

リコーは敵陣に入りアタックに転じようとしたところでオブストラクション。日野の長いPKで22mライン近くまで攻め込まれる。しかし直後のアタックを止めると、FL松橋が倒れたランナーのボールにつかみかかりノットリリースザボールを奪う。(前半22分)

ここでWTBファリアが出血で一時退出。メインが入りCTBに、ロトアヘアアマナキ大洋がWTBに入った。(ファリアは前半33分に復帰)

その後も日野のアタックの時間帯となったが、要所を抑えたリコーのディフェンスが続く。前半29分のゴール前ラインアウトモールを起点にした連続攻撃も我慢強く守る。日野が得たゴール前のスクラムは組み直しが繰り返されたが、展開したボールをCTBロトアヘアアマナキ大洋がもぎとりターンオーバー。

 

自陣深くからSOアイザック ルーカスがキックを蹴り込むと、仕掛けてきたランナーにFL松橋がプレッシャーをかけ、ここもノットリリースザボールを奪う。左中間、ハーフウェイ付近で得たPKを、松橋はクイックリスタート。後方へのパスでディフェンスを引き込むように動かした後、SOアイザック ルーカスから右のCTBロトアヘアアマナキ大洋に横方向へのパスをつなぐ。ロトアヘアアマナキ大洋は相手をよく見て前方のスペースに走ると、10mラインを越えルーカスに戻す。

 

22mラインを越えるとフォローしていたSH髙橋敏也につなぎ、さらに外のWTBヴァカヤリアへ。悠々と右中間インゴールに達したヴァカヤリアはこの日2つめのトライを決めた。CVは外れたが、リコーは24−0と大きなリードを築き前半を終えた。

 

トライ数で差をつけての勝利というミッションに応じ、試合の入りを完全に掌握したリコー。その後も集中力を失わず、試合運びも含め高いクオリティで40分間を戦い抜いた。

後半はトライの獲り合いに。しかし、「3トライ数差」はキープ

リコーはメンバーの入替を行わずに後半へ。自陣で日野のラインアウトを奪いかけたが、こぼれ球が再度日野に入りゴールに迫られる。その後も日野がテンションを上げてアタックを仕掛けてくる。リコーはPR西和磨に替わり千葉太一。(後半4分)

 

リコーのゴール前で、モールを使い前進を図る日野。だがボールをこぼし、リコーがターンオーバー。WTBファリアが左中間からスペースのある右サイドにボールを運び、CTB栗原、FBマッガーン、CTBロトアヘアアマナキ大洋とつなぎ、手薄となっていた右サイドをゲイン。

 

さらにHO武井のキャリーを挟みブラインドサイドを狙うが、パスがタッチラインを割る。しかし、この反攻への対応でディフェンスに回った日野にオフサイドがあったとして、リコーはPKを得る。これを蹴り出してゴールまで10m、右サイドのラインアウトにする。

 

リコーはラインアウトモールを押していく。モールは割れたが、その瞬間、最後尾でボールを持っていたHO武井が鋭く飛び出し、ディフェンスの間を抜け右中間インゴールで押さえた。冷静な判断と思い切りのよさでこの日2つめ、チームでトップとなる今季5つめのトライを奪った。CVも成功し31−0。(後半7分)

 

再開後は日野がアタックを見せるが、リコーのディフェンスに穴は開かず、やむなくキックを蹴る。これをSH髙橋が日野陣内深くに蹴り返す。日野は12番がこれを拾いに下がって蹴り返すが、直後に倒れ動けない。日野のディフェンスがオフサイドポジションの解消に手間取るところを突き、SOアイザック ルーカスがランでゲインしていく。

 

敵陣に入り22mライン手前まで前進。このゲインをきっかけにリコーがアタックする。しかし、ゴールまで10mほどの位置でボールに激しく絡まれノットリリースザボール。日野による意地のディフェンスでボールを奪われた。

 

倒れた12番は担架が持ち込まれ退場。この中断時にLOロトアヘアポヒヴァ大和をデーモン レエスアスに、SH髙橋を山本昌太に入替。(後半10分)

 

日野はPKで前進しラインアウトからゲインを狙うが、リコー陣内に蹴ったキックが直接タッチラインを割り後退。リコーは日野陣内左サイドのラインアウトを得て、これを起点にアタック。粘り強くパスをつなぎ攻め込んでいく。ゴールまで10mほどの位置で日野にノットロールアウェイ。リコーはスクラムを選択し、右に展開し攻めるが、出足のいい日野ディフェンスにプレッシャーをかけられ、密集でボールを奪われる。

 

日野はすぐさま前方にキックを蹴り、リコーは背走させられる。自陣にいち早く戻りボールを拾ったCTB栗原がFBマッガーンにパス。マッガーンがディフェンスをハンドオフして前に出ようとしたが、相手の顔に肘が当たってしまう。アシスタントレフリーから指摘が入り、映像確認のあと危険なプレーであるとしてイエローカードが出された。マッガーンは10分間の退出を科された。(後半16分)

 

人数では不利な状況が訪れたリコーだったが、ハーフウェイ付近の日野のラインアウトを奪うと、展開し右サイドをCTBロトアヘアアマナキ大洋が破ってゲイン。22mラインの内側に入っていく。角度をつけてキャリーしたHO武井が巧みなオフロードパスを出すが、NO8ディクソンには惜しくも通らずノックオン。

 

リコーはスクラムでコラプシング。さらにエリアを挽回して攻める日野に対しオフサイドと反則が続き後退。相手のタッチを狙ったキックがラインを割らず、これをリコーが蹴り返したのを機に蹴り合いとなる。アンストラクチャーな状況を使い、日野の15番がカウンターアタック。一気に抜けてリコーのゴール前までボールを運ぶ。リコーはすぐさま下がったが、日野は長いパスを使って逆サイドにボールを運ぶ。リコーのディフェンスラインが整う前に右サイドのエッジを突いた23番が右隅にトライ。CVは外れたが、31−5となる。リコーはこの失点の直後にHO武井を小池一宏に、NO8ディクソンをベン ファネルに入替。(後半23分)

 

リコーはすぐに獲り返した。リコーのリスタートキックを処理し、高く蹴り返して攻め上がろうとした日野にラインオフサイド。リコーは22mライン付近でPKを得る。これをタッチラインの外に蹴り出し、ゴール前ラインアウトとする。

モールを選択し、左中間から斜めに、中央に向かって押していく。止まりかけたが、再び1つの塊になり動き出す。細長くなったモールが左中間インゴールへ。最後尾のFL松橋周平が押さえトライ。SOアイザック ルーカスが蹴ったCVは外れたが36−5とした。ここで一時退出していたFBマッガーンが戻る(後半26分)

 

リコーは再開のキックの処理にいくもノックオン。さらに日野のスクラムからのアタックに対するディフェンスでハイタックル。ミスと反則が続き、自陣ゴール前ラインアウトを与えてしまう。日野はこれを奥で合わせると走り込んだ8番に渡し、猛烈なキャリー。そのままディフェンスを割って右中間インゴールへ。グラウンディングについて映像確認が行われたあとトライが認められる。CVも決めて36−12と点差を詰める。

 

リコーはこのトライの後、PR笹川を柴田和宏に、SOアイザック ルーカスをメインに、FLブロードハーストマイケルを柳川大樹に入替。メインはFBに入り、SOにマッガーンが入った。(後半29分)

 

この時点でトライ数は6本と2本。4本の差があり、残り10分で2トライを奪われなければボーナスポイントを獲得した上での勝利が可能だった。しかし、今季苦しい展開となることが多かった後半を熱く戦う姿をホームのファンに見せるべく、リコーはアグレッシブに攻めた。

 

日野のランナーが右サイドのタッチラインを踏むと、得たボールをFL松橋がクイックスローインしてすぐさまスタート。そのボールを自陣でつなぎ、中央からFBメインがキック。敵陣22mラインまでボールを飛ばす。このボールの争奪に挑んだNO8ファネルが激しくボールに絡み、ノットリリースザボールを奪う。(後半34分)

 

リコーはPKを蹴り出し、右サイドのラインアウトからさらに攻めようとするが、うまく合わずノックオン。しかし、ボールを得た日野はスクラムから攻めるもスローフォワード。そのホイッスルのあとに不要なコンタクトがあったとして日野にペナルティ。リコーはPKを蹴り出し再び左サイドのゴール前ラインアウトにすると、ここもモールを組み押し込む。そのまま左中間インゴールに達しHO小池がグラウンディング。

 

トップリーグ公式戦では初となる快心のトライに小池が喜びを爆発させると、次々とメンバーが集まりこれを称えた。この日4つめとなるモールからのトライに、チームとして磨き続けてきたラインアウトモールが、高い確率でトライを獲りきるための武器となっていることを示してみせた。CVは外れたが41−12となる。(後半38分)

 

リコーは再開後の日野のアタックでギャップに仕掛けてきた9番を逃し、15番、6番とつながれ右中間にトライを奪われてしまい(CV成功)、41−19。(後半40分)さらにホーン後もギャップを突かれピンチを招くが、ラックでターンオーバーに成功。CTB栗原が蹴り出してノーサイド。リコーは今季3勝目を世田谷のファンの前で挙げるとともに、ミッションであったボーナスポイントも獲得した。マンオブザマッチは2トライを挙げたWTBヴァカヤリアが選ばれた。

 

リコーは勝ち点を17まで伸ばしホワイトカンファレンス3位を争っていたNTTドコモと並んだが、勝利数の差(NTTドコモ4、リコー3)でホワイトカンファレンス4位に。これによりプレーオフトーナメントには2回戦からの出場となり、初戦は4月24日(土)12時より、愛知・パロマ瑞穂ラグビー場にてレッドカンファレンス5位の東芝と対戦することが決まった。

トーナメントを構成する4つの山には各カンファレンスの1、2位が分けられているが、リコーが入ったのは、レッドカンファレンス1位、今季7連勝と絶好調のサントリーの山だ。神鳥裕之監督は、ホワイトカンファレンス3位となり他の山に入ることを目指していたと話しながらも「でも、ここまでくると、より厳しい道を進むというのもリコーらしい気がするんですよ」と笑顔を見せた。

 

神鳥監督就任後のリコーは、トップリーグ優勝経験のある神戸製鋼、東芝、サントリー、パナソニックの4チームのうち、神戸製鋼、東芝、パナソニックから勝利を挙げている。この4チームに続く強さを備え日本選手権優勝もしているヤマハ発動機にも今季ついに勝利した。善戦は何度もあったが、唯一倒せていないのがサントリーだ。そんなチームと最後のトップリーグで対戦するチャンスが近づいたのは、何かの縁のようにも思える。

東芝、そしてサントリーと長きにわたりトップリーグをリードしてきたチームを倒し、日本選手権を兼ねる準決勝への扉をこじあけるために、リコーは2週間の準備に入っている。愚直に、泥臭く戦い、人の心を動かすラグビーを見せてきたリコー。その集大成を見せ、新リーグとともにやってくる新しい時代に語り継がれるレガシーを、築くときが来ている。

監督・選手コメント

神鳥裕之監督

今日はどうもありがとうございました。我々にとってはホームの駒沢で、しっかりと5ポイントを獲って勝ったということは、大きな収穫だったかなと思います。ゲームの最後で少しイージーなトライを許してしまったんですが、トーナメントに向けてしっかりと準備していきたいと思います。

 

(7試合の総括と、トーナメントに向けての意気込みを)初戦のパナソニックとのゲームで、少しスコアを空けられて負けたあと、ここにいる松橋であったり、リーダー陣を中心にチームを立て直して、チームを上昇気流に乗せられるような戦い方ができたのでよかったです。我々リコーのスタイル、本当にひたむきに戦い続ける姿勢というところが、2戦目以降はしっかりと見せることができ始めたのが、チームとしてうまく戦い抜けた理由かなと思っています。結果がついてこない時期もありましたが。トーナメントに向けては、同じように自分たちが描いているスタイル。泥臭い、一生懸命やるスタイルに立ち戻って、最終的にスコアを上回れるようなチームづくりというものを、また2週間で準備していきたいと思っています。

(接戦で見えてきた課題もあったのでは。トーナメントに向けてどうとらえるか)リコーらしく戦うことに加えて、接戦になったときにゲームプランを遂行する実行力であったり、選手、スタッフ含めて全員が同じページでプランニングを実行する準備であったり、こういった細かいディテールの部分がリーグ戦での勝敗を分けたケースが多かったので、自陣からタッチキックを蹴りしっかり試合を切るとか、FWの動きが激しいので、無駄な動きをさせないようなエリアマネジメントをとるとかは、練習でしっかり準備していたのですが、試合ではできなかったところもありましたので、詰めていく必要があるかなと思っています。

FL松橋周平共同主将

今日はありがとうございました。最終節、ホームで勝てたことはすごく嬉しいです。先週、いい勝ちができて、僕たち自身は今週はさらに改善して積み上げて行こうと、自分たちにベクトルを向けて、プロセスの部分を大事にやってきたので、それがいい結果につながったのかなと。途中日野さんの勢いに押されて自分たちが乱れた場面もありました。トーナメントになったら1トライ、1ゴールが命取りになる可能性もあるので、80分間引き締めてやる。「一人ひとりの責任」の部分はもっと改善しないといけないのかなと思っています。引き続きハードワークして成長していきます。

(7試合の総括と、トーナメントに向けての意気込みを)タフなリーグ戦だったなと思っています。開幕戦のあとの4試合が全部接戦で、そのうち1勝しかできていない。やっぱり最後にスコアを許して3試合負けているということが現実にあったので。結果はコントロールできないんですけど、自分たちのやりたいことがやれているか、やれていないかはコントロールできる。チームが腐らず、常に前をむいて、BIGGA(Back In Game, Go Again.)し続けた結果がこの2試合に表れたのかなと思いますし、最後2試合に関しては、一人ひとりが責任を持つようになって、自分たちのやりたいラグビーをするためには何をしなければいけないのか? どういうプロセスが大事なのか? と、より深くしっかり考えるようになれたのが、結果になってきたと思います。この結果に満足せずに、次はもっとレベルを上げて、やっていきたいと思います。

(アタックは積極的に回していく場面もあった。手応えは)みんなすごい自信になっていると思います。ウイングにネタニ(WTBヴァカヤリア)みたいな選手がいるっていうのも僕らの強みだとも思いますし、彼にいいかたちでボールを渡すというのがFWの仕事だと思いますので、そのためにどんなエリアでもしっかりと自分たちの仕事をやる。それが今はできていると思います。

(今季は外から試合を見る機会もあった。得たものは)いいところと、悪いところあったと思うんですけど、自分たちの掲げているBIGGAというものをもう一度全員で確認できて、自分自身もみんなにそれを伝えられたのが大きかったと思う。ボールを持っていないときの姿勢が、結果に大きく伝わると感じたので。

WTBネタニ ヴァカヤリア

まずはチームのみんなに感謝したいと思います。この試合でマンオブザマッチをいただけたんですけど、これはみんなの努力の結果だと思います。ハードワークして、勝つことができてよかった。みんなにありがとうと伝えたいです。

(試合の中で心がけていることを)アタックは強く。ボールもらったらスペースにハードキャリーをするようにという意識はしています。ディフェンスは自分のトイメンのウイングにしっかりついていって、ビッグタックルを決められるように心がけています。

文:秋山健一郎

写真:川本聖哉

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