2014-2015 トップリーグ 2ndステージ 第4節 vsNTTドコモレッドハリケーンズ戦

2014.12.24

敵陣深くに攻め込み、ゴールラインに何度も迫るがスコア重ねられず

トップリーグ2ndステージ第4節の相手、NTTドコモレッドハリケーンズは2ndステージに入り2勝1敗と調子を上げていた。1stステージでの対戦ではリコーはリードを広げ勝利したが、2年ぶりの公式戦4連勝が懸かった試合は、タフなものになることが予想された。

試合開始直前にわずかに雨が降った秩父宮ラグビー場。風はほぼなし。リコーのキックオフで試合が始まる。

開始直後、リコーは左サイドハーフウェイライン付近から展開すると、中央から右中間に向かってSOコリンボークがスペースを上手く抜けてゲイン。右中間のポイントからクイックにボールを出しワイドに振ると、左中間をHO滝澤佳之が縦に突く。タックルを受けながらも倒れず粘って前進。再度SOボークにつなぎ中央を突き、一気にゴールライン手前まで達すると、左側をフォローしたLOカウヘンガ桜エモシがボールをもらい右中間にトライ。CGも決まり7−0とリコーが先制する(2分)

NTTドコモもすぐさま攻め返しリコーのゴール前へ。攻めたてるとリコーにオフサイド。正面やや左からPGを決めて7−3。(5分)

今度はリコーがテンポよく攻めていく。敵陣浅めで反則を獲るとペナルティキックで攻め込み、ラインアウトからワイドに振って攻める。推進力を感じるアタックだったが、ゴール前のラックでボールを奪われトライできない。(8分)

この後もリコーは敵陣でアタックを続け、トライまであとわずかという状況が何度も生まれたがスコアにつながらない。前節に続き我慢を強いられる展開となる。

前半20分が近づき、再びリコーが深く攻め込むが、NTTドコモがギリギリのところで粘る。ゴール目前で得たスクラムから、8、9とつないで右中間にSH山本昌太が仕掛けるがディフェンスが襲いかかりゲインを許さない。(25分)

しかし、ゴール前のNTTドコモのスクラムからボールがこぼれると、SH山本が反応。ボールをさらい右中間に飛び込みトライ。一瞬の隙を突くプレーでリコーに待望の追加点が入る。角度のあるCGも決まり14−3とリードを広げた。(27分)

前半終わりに近づくと、NTTドコモがチャンスをつかむ。ハーフウェイライン付近からアタックを仕掛けるリコーを止め、ペナルティを獲ってキックで攻め込みゴール前に。

ラインアウトでサインプレー。ジャンパーからすぐさまタッチラインそばの2番にすぐ戻し、誰もいない左隅に飛び込みトライ。リコーはWTB長谷川元氣が食らいついたが届かず。痛い失点を喫する。CGも決まり14−10。(35分)

長い時間攻めようやくトライを奪ったリコーに対し、NTTドコモはワンチャンスを生かす効率良い攻撃を見せた。結局リードは4点に縮まり、接戦の様相を呈し前半を終える。

最後の最後にチャンスをたぐり寄せる。しかし、悔しい結末

後半の入りを上手く戦ったのはNTTドコモだった。蹴り込まれたキックオフが、リフトされたFLマイケルブロードハーストの手をわずかに越える。競り合った相手5番の手をかすめるように前方に転がったボールを、走り込んだ14番が拾いインゴールへ。まさかのノーホイッスルトライでリコーは逆転を許す。(0分)CGも決まり14−17。

さらにNTTドコモはリコー陣内浅めのラックで、攻めるリコーからボールを奪う。すかさずライン裏にゴロキックを蹴るとこれがよく転がりリコーのゴール前へ。SOボークが追いつき、なんとかタッチラインの外へ出しトライを阻む。

しかし、ゴール前でラインアウトを得たNTTドコモはモールを組む。そのモールから鋭く飛び出した6番がディフェンスをかわし右中間にトライ。CGも決めて14−24。(6分)

リコーも黙ってはいない。ハーフウェイライン付近からアタックを仕掛けると、中央をSOボークがステップを切ってゲイン。これを起点に22mライン付近でフェイズを重ねる。前半と同じようにここからNTTドコモが粘るが、ノットロールアウェイ。リコーはタッチに蹴り出しラインアウトにする。リコーはLOカウヘンガを馬渕武史に、PR柴田和宏を大川創太郎に交代する。

右サイドのラインアウトをキープすると、モールを組み押し込む。スピードもあるモールは一気にインゴールへ。なだれ込んでLOロトアヘアポヒヴァ大和が右中間にトライ。CGははずれたが、19−24と5点差に詰め寄った。(12分)

めまぐるしくスコアが動いた後半序盤を終え、試合は一進一退の展開となる。リコーは攻め込むが、前半のように順目にボールがつながらない。NTTドコモのプレッシャーを受け、ボールキャリアが孤立したり、パサー方向へボールを戻すシーンが見られるようになる。リコーはSOボークをタマティエリソンに交代。(20分)

残り20分。NTTドコモの規律に乱れが見え始める。倒れ込みなどラックでの反則を続けた。リコーは前進。ゴール前ラインアウトのチャンスをつかむ。さらにモールを引き落とすコラプシングが出て、リコーは再度ラインアウトにする。しつこくモールを組むリコーは、バックスも加わる大きなモールで左中間を押しインゴールに突入する。しかし、テレビマッチオフィシャル(TMO)が行われるもグラウンディングが確認されずトライにならない。(29分)

集中を保つリコーは再開のスクラムを強く押し、NTTドコモがスクラムを落とす。これを見たレフェリーがホイッスルを吹き、ゴールに向かって走る。クロスバー直下で手を上げ、反則の繰り返しを理由としたペナルティトライを宣言する。CGを決めたリコーは26−24と逆転に成功する。(31分)

しかし、リコーはこのリードを守れなかった。深く蹴り込まれたキックオフボールをまたも奪われ、こぼれたボールを拾ったNTTドコモにいきなりチャンス。左中間22mライン付近で、リコーは痛恨のノットロールアウェイ。NTTドコモはPGに成功し26−27と再逆転する。(33分)リコーはHO滝澤を森雄基に、CTB山藤史也を松本悠介に交代。

残り5分を切り、リコーにまたチャンスが訪れる。NTTドコモ陣内浅めのラインアウトから攻めると、右中間10mライン手前でNTTドコモがノットロールアウェイ。SH山本はショットを選択。逆転PGを狙い、FBピータース ダニエルがこの日5本目のプレースキックを蹴るが左にそれる。(36分)

ドロップアウトで再開。リコーが再び攻め22mライン付近へ。しかし、リコーはラックでボールを離せず反則。キックでエリアを押し戻される。

あきらめないリコーは、ラインアウトでボールを奪い取る。ボールを回し攻めるが、NTTドコモは気迫のディフェンス。ランナーを取り囲みボールを奪い取ろうとする。リコーはノックオン。ここでPR藤原丈宏に替えて髙橋英明。

中央、NTTドコモ陣内10m付近でスクラムを組む。後半40分経過のホーンが鳴る。ボールが相手サイドに出れば蹴り出されて試合は終わる。絶体絶命のスクラムとなったが、髙橋、森、大川ら全員途中出場のフロントローを含むリコーフォワードが渾身のスクラム。強く押し込み完全に崩すとレフェリーの手が上がりNTTドコモにペナルティ。リコーは決めれば勝利のPGにすべてを懸ける。

ほぼ正面、40m。静まるスタジアムの中央で、FBピータースが助走をとりボールを蹴る。低めの弾道で飛んだボールはゴールに向かって飛ぶが、わずかにそれ左のポストに当たる。悲鳴の中、跳ね返ったボールを拾ったNTTドコモの選手が蹴り出しノーサイド−−。

リコーの連勝は3でストップ。しかし4トライと7点差以内の敗戦のボーナスポイント2を確保し勝ち点を19とした。前節2位のクボタも敗れたため、グループB首位はキープした。

「自分たちがやりたいラグビーを残りの試合に出せば、また結果はついてくる」(LOロトアヘア ポヒヴァ大和)

神鳥裕之監督

今日の試合は4連勝が懸かった試合ということで、何としても勝ってワイルドカードトーナメントというターゲットに近づきたいという気持ちで臨んだのですが、ドコモさんのブレイクダウンでのプレッシャー、このあたりのパフォーマンスが高く、我々がやりたいラグビーをさせてもらえず、大変悔しい結果となってしまいました。ただし最低限のボーナスポイントは獲りましたので、悔しいですけど気持ちを切り替えて、次のクボタ戦に向かいます。
(思い描いた試合とは違ったと思う。力を出し切れなかった要因はどこに?)ファーストフェイズのところで、球出しの速度を遅らされたということ。準備していた攻撃を思うようにさせてもらえなかったというところ。あとは同じようなミスがありました。キックオフのボールの処理などを試合中に改善できなかったのが課題かなと。セットプレーについては満足いくパフォーマンス出せていました。いいところ悪いところをしっかり見直して改善していきます。(2ndステージに入って、ドコモが好調だが対策は?)特別なものはないですが、FLハインリッヒ ブルソー選手が攻守に渡る存在感を見せていたので、注意していました。アタックについては、1stステージでの対戦でもフェイズを重ねてトライを獲られた場面がありましたので警戒していました。【以上共同記者会見にて】

こんなに悔しい思いをしたのは久しぶりですね。(前半の最初にトライを奪ったが、最初はボールが動かせていた)そうですね。結果論ですが、あそこで簡単にトライが獲れてしまったので、その後も獲れるのではないかという空気ができてしまったのかもしれない。あの後は相手陣の22mラインの内側に相当入ったのに、そこでしっかりスコアできなかったことが、結果的に接戦に持ち込まれた原因でもあります。あそこでガツンと叩かなければいけなかった。
(フォワードが頑張った)スクラムについては今年の中でもトップパフォーマンスに近いと思います。ラインアウトは前半ミスがありましたが、全体的にはスタンダードに十分達していました。あと少し、ブレイクダウンで相手のキープレーヤーに仕事をさせず、クイックボールを出せていればだいぶ楽に戦えたはずなのですが。
(勝てば大きな自信となる接戦だった)今日の試合を勝って本当の強さをお見せしたかったのですが、まだ足りない部分があると認めざるを得ないですね。(先発にメンバーチェンジがあった)前節よかった選手を起用しましたが、いいパフォーマンスを見せてくれました。PR柴田(和宏)もスクラム頑張りましたし、LOエモシ(カウヘンガ)もいいボールキャリーを見せてくれました。WTB高平(拓弥)もよかった。またしっかりチャンスを与えながら、チームのモチベーションを高めていけるように。競争をつくっていきたい。
タフな試合が続くので、リーグ戦はしっかり気持ち切り替えるのが大事。(WTB小松大祐の復帰は?)年内は厳しそうですね。あいつが戻ってくるまで勝ち続けて昌太からバトンを渡してもらおうと思っていたのですが。選手たちはよくやってくれているので、うまく戦わせてあげたかった。悔しいです。

SH山本昌太ゲームキャプテン

試合が始まってから最後まで、ドコモさんの激しいプレッシャーを受け、そのままずるずると最後まで自分たちのラグビーを出せずに終わってしまいました。レフェリーとのコミュニケーションの部分も課題にあると思います。ボールの争奪のところで、うちがペナルティだと思ってもそうではなかったり、OKだと思ったらペナルティだったりというのがあったので、そこの自分たちの判断を修正したいです。
(最後の1つ前のPGは少し遠かった。タッチに蹴ってもよかったのでは?)自分は迷わずショットを選びました。これまでもダン(FBピータース)が難しいキックも決めていたので、そこは信頼して。結果は結果。【以上共同記者会見にて】

LOロトアヘアポヒヴァ大和

前半はうちのペースで進んでいたけど、最後まで獲りきれなかったのが残念。後半は最初集中できなくて、2つトライを獲られてああいう結果になった。(それでも我慢して最後チャンスつかんだ)やりたいラグビーを信じて、まずボールをキープして前に出ていこうと話していました。ボールに来ている相手の選手のジャッカルはあまり気にせず、サポーター、ボールキャリーの強さとかを上げて流れを取り返そうと話していました。(相手のディフェンスはよかった?)こっちもチャンスはつくれていた。(崩す場面を)つくれなかったという感じ。うちがやりたいラグビーを残りの試合に出せば、また結果はついてくるんで。今日は今日で終わって、また次の試合に向けて頑張ります。

WTB長谷川元氣

今回勝てばワイルドカードトーナメントはほぼ決定だと思っていたので、勝ちたかったです。前半で4トライ獲って試合を決めるぐらいのアタックをできればよかったんですけど、受けに回ってしまった。(ブレイクダウンで全体的に苦しんだ)2人目のサポーターが遅くて、ジャッカルされていた。サポートにいっても倒れてしまったりもしていた。1人ひとりが役割を果たさないと、この先、来週以降の相手にはやられてしまう。しっかりやりたい。
敵のディフェンス見た上での対応なのですが、中央付近にラックができたとき、順目ではなく逆目にいったり、プランに沿ったワイドなアタックができなかった。(攻撃の形を)もう少し修正できれば。個人的にはまだトライを獲れていないので獲れるように。もっとボールタッチを増やしたい。今日はちょっと少なかったので。

WTB高平拓弥

原因は自分たちのゲーム運び。前半敵陣で獲りきれなかったことが最終的に僅差での敗戦につながってしまった。10番の選手のキックの飛距離に手こずりました。あとはブレイクダウンでのFL(ハインリッヒ)ブルソー選手の動きにも。(前半はボールが動いていたように見えたが)攻めて深いところでラグビーしていたから、そう見えたのかもしれないです。
(試合中はどんな声を掛けていた?)確実にブレイクダウンで速い展開をできるようにと。ボールをもっと速く動かそうというのが狙い。でもディフェンスで前に出られて、ワンパスのプレーしかできなかった。(前節でのプレーの評価を受けての先発だったと思うが、調子は上がっている?)ずっと準備はしていました。結果残したかったんですけど。(WTBでのプレーは?)出るからにはどこでもやります。

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