【Review】トップリーグ2021 第4節 vs 神戸製鋼コベルコスティーラーズ

2021.03.19

風下からの真っ向勝負。FBマッガーンの切れ味鋭いランでトライ奪う

タフなゲームが続く最後のトップリーグ。ファーストステージは折り返しの第4節を迎えた。駒沢オリンピック公園陸上競技場での開幕戦以来のホームゲームの相手となった神戸製鋼コベルコスティーラーズは前々シーズンの王者で、リコーが戦うホワイトカンファレンスでは最強といっていいチームのひとつだ。この一戦でリコーは主将を務めるFL/NO8松橋周平とCTB濱野大輔が欠場。HO登録のベン・ファネルがNO8に入り、FBでの先発が続いていたメイン平がCTB(12番)で出場するなどの対応を図った。

 

この日も強風下での試合に。風下の陣地となったリコーは、FBマット マッガーンの短いキックオフで試合を始める。ディフェンス最前の選手にキャッチさせ、リコーディフェンスが襲いかかっていく。いいプレッシャーがかかると、神戸製鋼10番がリコー陣内に蹴り込む。リコーはこれを処理し、エリアを下げてボールを持つことに。

 

バラエティに富んだパスでディフェンスを動かしていくと、ギャップにSOアイザック ルーカスがアジリティを活かし斬り込む。フォローしたLOロトアヘアポヒヴァ大和につなぎゲイン。敵陣浅めまで戻すが、ボールがこぼれ相手ボールのラックに。リコーはプレッシャーをかけるがノットロールアウェイでPKを与え、これで前進を許してしまう。

 

左サイド、リコー陣内中盤のラインアウトから神戸製鋼がアタック。強いフィジカルとディフェンスの薄い部分を的確に突くアタックでリコーはじりじりと下げられゴール前へ。だが、中央の密集でHO武井日向が素早くボールに絡み、ノットリリースザボール。(前半4分)

 

PKでエリアを戻したリコーだったが、SH山本昌太のハイパントが強風を受け、キャッチできずタッチを割る。右サイド、リコー陣内10mのラインアウトから攻める神戸製鋼は、10番がギャップを抜けてゲイン。しかしゴール前で待ち受けていたFBマッガーンが、相手をよく見て低いタックル。足をとらえ倒し、ボールを放す前にタッチラインの外に押し出す巧みなプレーでトライを阻んだ。(前半5分)

 

だが、風下の陣地のゴール前からの脱出は簡単ではなかった。リコーはタッチキックを狙うも22mライン付近までしか戻せず、この位置のラインアウトから神戸製鋼が再びアタック。NO8ファネルが倒れたボールキャリアに対しジャッカルを狙うがオフサイド。神戸製鋼はPKでゴール前ラインアウトにすると、モールを右にずらして押し切り2番がトライ。CVは外れ、0−5となる。(前半9分)

 

再開後、リスタートキックを回す神戸製鋼にプレッシャーをかけるリコーは、ラックでノットリリースザボールを奪う。敵陣10m付近からのPKをタッチラインの外に出し、22mラインの内側でラインアウトを得る。しかしこれが風で流れノットストレート。神戸製鋼スクラムとなる。

 

ファーストスクラムは互角。神戸製鋼はボールを出すとすぐさまキックを蹴り、リコーはハーフウェイラインでWTBキーガン ファリアが処理。右中間でアタックを開始する。


 

FW陣がダイレクトに当たっていくと、じりじりと前進し10mラインを越える。SH山本はここで左に展開。細かくつなぎ左中間でCTBメインがクラッシュ。この後再び右へ戻すと、ややディフェンスが左に寄りギャップができた右中間にSOアイザック ルーカスが仕掛ける。ディフェンスに絡まれるも、走り込んだFBマッガーンにオフロードパスを通すと、マッガーンは加速して22mラインを突破。10番にお返しのような低いタックルを受け倒されたが、そのまま転がるようにしてインゴールに到達しトライ。ホームゲームに集ったファンの拍手が湧き起こる。マッガーンは自らCVも決めて7−5と逆転に成功。(前半15分)

 

しかし、高く、深く蹴り込まれた再開のキックが風を受け、リコーはキャッチに失敗。ノックオンとなり中央ゴール前での相手スクラムというピンチを迎える。このスクラムでリコーFW陣が粘るが、組み直しを経て神戸製鋼がキープ。左へフラットなパスを通し大外の11番につなぐと左サイドにトライ。CVは外れたが7−10と神戸製鋼が再びリードを奪う。(前半18分)

 

再開後、神戸製鋼はリコーのランナーをとらえノットリリースザボールを奪う。PKで前進し、リコー陣内22mライン付近のラインアウトからアタックを仕掛ける。フィジカルに押し込んでくる神戸製鋼だったが、FWが後方につなごうとしたパスにCTBロトアヘアアマナキ大洋が反応。素早く詰めボールを奪いにいくが手につかない。高く弾いたパスをキャッチできればビッグゲインが望めたが、惜しくもこぼれノックオン。(前半21分)

 

ほぼ中央、22mラインの神戸製鋼スクラムで再開。ここでリコーにペナルティが出て、PKでゴール前ラインアウトに。神戸製鋼はここもモールを押し切りトライ。C Vも決まり7−17となる。(前半23分)

 

連続トライで点差を広げる神戸製鋼は、さらにトライを重ね、スコアでリコーの気持ちを折りたい局面だったと思われるが、リコーはここで怯えや焦りではなく、勇気を見せた。ミスも出たが、荒々しさをチームに加えたNO8ファネルのジャッカルや小柄ながらディフェンスでタフに身体を張るSOアイザック ルーカスらの熱いプレーなどに引っ張られ、徐々に神戸製鋼の勢いは削がれ、ペナルティを誘うようになる。

 

ペナルティで前進したリコーは、神戸製鋼陣内に侵入。ボールを動かし神戸製鋼ディフェンスを振り回す思い切りのよいアタックを見せる。22mラインを越えたところでパイルアップ。神戸製鋼スクラムとなるが、プレッシャーをかけアーリーエンゲージを誘ってFKを得る。

 

スクラムからのアタックは、ギャップを狙ったFBマッガーンが倒されターンオーバーされるも、すぐさまディフェンスでプレッシャーをかけていく。アタックとディフェンスの切り替え、トランジションが素晴らしく、ボールを奪われてもチャンスが継続しているかのように見えてくるラグビーをリコーは見せる。しかし、ボールを守り切った神戸製鋼は、リコー陣内にキックを蹴り込みピンチを脱する。(前半35分)

 

リコー陣内での攻防となるが、自陣でボールを回し攻め上がろうとしていたリコーがつくったラックで、LOロトアヘアポヒヴァ大和の頭に神戸製鋼2番が頭突きをする格好となるプレーが起こりイエローカード。一時退出処分が科され、リコーは数的優位を得ることとなった。(前半36分)

 

PKでハーフウェイ付近まで戻したリコーはアタックを仕掛け、その後もリコーペースが続き前半は終わる。終了間際にFBマッガーンが出血で一時退出。替わって牧田旦が入りCTB。メインがFBに入った。

ゴール前で見せた鉄壁のディフェンス。後半はチャンピオンをノートライに

前半終盤に神戸製鋼の攻勢を受け止め、風下の陣地ながら10点差で試合を折り返すことに成功したリコー。試合の主導権を奪うにはやはり早い段階でのスコアが必要だった。

 

FBにヘッドギアをしたマッガーンが復帰。数的優位が継続した状態で後半が始まる。神戸製鋼のキックオフ。

 

リコーは深めに蹴り込まれたボールを、前半と同様に回して前進していく。前半と異なるのはキックという選択肢を選ぶこともできるという点にあった。じりじりと前進し10mライン付近までくると、SOアイザック ルーカスがキックを蹴り込む。これに呼応してラインを上げるリコー。カウンターアタックを許さず、神戸製鋼陣内浅めでプレッシャーをかけていくと神戸製鋼にノットリリースザボール。PKをゴール前ぎりぎりの位置のタッチラインの外に出し、ラインアウトを得る。(後半3分)

 

右サイド、ゴール前のラインアウトをキープしたリコーはモールを組む。神戸製鋼は対応できず、そのまま押し込み右中間のインゴールになだれ込む。ボールはNO8ファネルからHO武井に渡りグラウンディング。数的優位と風を生かし、自分たちの大きな武器であるラインアウトモールを使ってのトライ。獲るべき局面でしっかり獲ったリコーが点差を詰める。強風下のCVもFBマッガーンが決めて14−17。(後半5分)

 

勢いに乗りたいリコーだったが、リスタートキックの処理でオブストラクション。神戸製鋼はPKでゴール前ラインアウトとする。ここで2番が戻り、リコーの数的優位は解消され、注意の必要な攻防となる。

 

ラインアウトを押し込む神戸製鋼。だがリコーはトライライン目前で止める。モールが崩れるとパイルアップ、リコーボールでの再開をレフリーが告げ、リコーは3本目のモールトライを阻む。ここでWTB山村知也をネタニ ヴァカヤリアに入替。(後半7分)

 

しかし、スクラムでのリコーの反則(FK)で神戸製鋼ボールとなる。ゴール前スクラムというチャンスを得た神戸製鋼は8 番がボールを出して攻めるがFLジェイコブ スキーンの手がボールにかかり落球。このノックオンでリコーがスクラムを奪い返す。

 

この3度にわたるスクラムを軸とした戦いに勝ったのはリコー。押し切ってペナルティを奪いPKを得て、初スタメンとなるPR笹川大五が叫ぶ。PKをFBマッガーンが風に乗せてけり、ハーフウェイ付近まで戻す。(後半10分)

 

しかし、攻撃のきっかけにしたかった左サイドからのラインアウトはノットストレート。ハーフウェイ付近の神戸製鋼のスクラムで再開となる。リコーはこのアタックを前に出て止めていくが、神戸製鋼もしっかりボールを守りじりじりと前へ。フィジカルバトルが続く時間帯となるが、リコーにノットロールアウェイが出て、PKを経てゴール前ラインアウトとなる。

 

モールを狙う神戸製鋼だったが、リコーはこれをつくらせずラックに。ここからのアタックに低く出足のよいタックルで対応していく。突破を狙った10番を複数の黒いジャージが捕まえると、こぼれたボールはCTBロトアヘアアマナキ大洋に。さらにWTBファリアを経てFBマッガーンへ。ハーフウェイ付近までゲインするとマッガーンは前方へキック。22mラインの内側にキックを転がすと、ボールを確保した神戸製鋼の選手にリコーのBKがプレッシャーをかけていく。続いてFWも押し寄せラックをオーバーしボールを獲得。

 

神戸製鋼に反則が出るが、アドバンテージの出た状態でアタックを継続。右中間から左につなぐと、大外に走り込んでいたLOロトアヘアポヒヴァ大和が左隅にトライ。CVは外れたものの、19–17とリコーが逆転する。(後半16分)

 

逆転を喫し、王者のプライドを見せ立ち向かってくる神戸製鋼。リスタートキックを回し攻めるリコーに猛然とプレッシャーをかけ、ついにはボールを奪う。13番がステップを刻みゲイン。さらに6番につなぎゴールに迫るが、PR眞壁貴男が食らいつき倒す。そこにNO8ファネルが寄せてボールを狙っていくと、さばきにきた9番とボールを奪い合うかたちになる。アンプレアブルとなりリコーボールのスクラムに。ここは組み直しを重ね、神戸製鋼のアーリーエンゲージ。リコーのFKに。(後半19分)

 

このFKでタッチを狙ったが、相手のプレッシャーもあり伸ばせず。リコー陣内中盤のラインアウトから神戸製鋼が再び攻める。FW、BKが一体となったスキルフルなアタックに、リコーは食らいついていく。ゴール前まで迫られたが、SH山本がこぼれ球をさらってターンオーバー。ここもキックアウトしてピンチを逃れる。激しいアタックを浴びながらも、どこか楽しそうにプレーしているようにも見えるリコー。

 

22mライン手前のラインアウトから、再び神戸製鋼が攻める。内に返すパスを受けてギャップを抜けた13番がゴール左隅に迫る。そこに駆けつけたSOアイザック ルーカスを見て内側にステップを切り吹き飛ばす。

 

だがそのわずかなロスにより追いつくことができたFLスキーンがトライライン上で背中にしがみつくと、グラウンディングを狙い、身体を前傾させた13番のボールを持つ手の下に腕を入れグラウンディングを阻む。

 

レフリーは映像確認を実施。映像で最後まで諦めずに手を絡めたFLスキーンのビッグプレーが映されると、スタジアムに大きな拍手が響き、まもなくノートライの判定が下る。ここでリコーはSH山本に替わり髙橋敏也が入る。(後半23分)

 

神戸製鋼の5mスクラムで再開。ピンチが続いているにもかかわらず、リコーFWは高いテンションでスクラムに臨む。リコーにアーリエンゲージが出るが、神戸製鋼はスクラムを選択。2度目のスクラムはパスアウトを狙ったボールにFLブロードハーストマイケルが反応し手を触れると、神戸製鋼側にこぼれる。神戸製鋼はこれを拾い直して攻めるが、リコーも即座に反応。猛然とディフェンスでプレッシャーをかけていく。左中間のラックから、中央で待つ13番から10番につなぎトライラインに迫る神戸製鋼。だが、WTBヴァカヤリアのタックルで体勢を崩した10番にCTBロトアヘアアマナキ大洋が迫りボールを奪う。

 

後方のSH髙橋にパスしキックアウトを狙うもノータッチ。神戸製鋼はバックスリーが長いパスをつないでアタックを仕掛けようとしたがノックオン。リコーのゴール前での粘り強いディフェンスが、スタジアムを異様なムードにしていく。リコーはPR眞壁に替わり千葉太一。(後半25分)

 

だが、好プレーから流れをつくることはなかなか叶わない。自陣、右中間中盤のスクラムから出し蹴ったキックがダイレクトタッチに。リコーは22mライン上でのラインアウトを相手に与えてしまう。

 

ここからテンポを上げて攻める神戸製鋼。リコーも激しくフィジカルでの勝負を挑んでいくが、じりじりと前進されゴール前での攻防となる。ここでリコーディフェンスの飛び出しがわずかに早くラインオフサイドの判定が下る。

 

リコーが「BIGGA!」の声を重ね、さらなる攻防に向けた集中力の維持を求め合う中、神戸製鋼は、一度タッチラインの外に蹴り出しトライを狙いにいくかのような動きを見せた。だが、ベンチからの「Shot!」の声を受け、今シーズン初となるPGを狙うことを決める。これを22番が決めて19−20、神戸製鋼が再逆転する。このショットのあと、リコーはHO武井を小池一宏に、PR笹川を柴田和宏が入った。

 

リコーのリスタートキックを受け攻めたてる神戸製鋼だったが、リコーは足を止めることなくプレッシャーをかけていくと、スローフォワードでリコーのスクラムとなる。スクラムサイドをWTBファリアが鋭く突いてゲイン。ハーフウェイ付近まで戻すと、一度下げてSOアイザック ルーカスがキックでのゲインを狙う。自陣10mライン付近から大きく蹴ったボールは、神戸製鋼陣内22mライン付近で弾みタッチラインを割る。このナイスキックのあとのラインアウトを前にNO8ファネルに替わりタラウ ファカタヴァ。

 

神戸製鋼のラインアウトからのアタックは、レフリーにパスが当たりスクラムでの再開となる。自陣22mライン付近からボールを回して攻める神戸製鋼。リコーはこれを止めてアタック、もしくはPGでも逆転が考えられる状況で、アグレッシブかつディシプリンを保ちながら当たり粘り強くターンオーバーを狙うが簡単にはボールを渡さない神戸製鋼。


 

リコーの右サイド、神戸製鋼の左サイドにスペースが生まれ、ここを使われてリコーはゲインを許し、自陣浅めまでボールを運ばれてしまう。さらにFWでゲインしていく神戸製鋼はリコー22mラインまで前進。さらにトライをうかがう位置まで運んだところで、FLスキーン、WTBヴァカヤリアのコンビがボールキャリアを捕まえると落球させてこれを確保する。

 

残り時間は3分。自陣からどう攻め上がりいかにスコアするか――。リコーSOアイザック ルーカスが選んだのはキックだった。敵陣深くに転がったキックは、トライライン間際で止まる。神戸製鋼はこれを拾って22mライン付近からキック。しかし距離は出ず、タッチも割らない。SH髙橋がキャッチするとスペースを縫うように走り敵陣へ。

 

さらにつないだリコーは、FLスキーンがボールキャリー。しかし、倒されたところに伸びた12番の手がボールにかかる。危険を察知したサポートが押し寄せたが、わずかに遅くノットリリースザボール。リコーは痛恨のペナルティでチャンスを逸する。LOロトアヘアポヒヴァ大和に替わり柳川大樹。(後半38分)

 

リコー陣内10m付近のラインアウトをキープした神戸製鋼は、短い間隔でラックをつくりボールを守りながら時間が過ぎていくのを待つ。だが、リコーは諦めずボールに迫っていく。残り30秒を切ったところで、ボールを持った6番にFLブロードハーストが襲いかかりボールにしがみつく。その後、両チームがなだれ込みボールが見えなくなるが、これを見てレフリーがリコーを指す。パイルアップでリコースクラムでの再開となる。

 

このボール奪取と同時に80分経過のホーンが鳴り、ラストワンプレーとなることが決まる。スクラムから攻めるリコー。だが神戸製鋼も猛烈なディフェンスでリコーが前に出るのを許さない。NO8タラウ ファカタヴァがゲインラインを切るが、次のフェイズでキャリーしたCTBメインに猛烈なタックル。

 

直後のラックに危機を察知したSH髙橋が頭を突っ込みボールを守ると、WTBファリアがさばいてLO柳川がキャリー。両チームの選手が入り乱れる中、密集の後方にボールが転がり出る。これに手を伸ばした神戸製鋼5番が確保。立ち上がったSH髙橋やSOアイザック ルーカスがボールを奪いにいくが、後方に放り投げたボールをキャッチした23番がキックアウト。ボールはタッチラインを割り、ここでノーサイドを迎える。

 

無尽蔵のフィットネスを武器とするFLブロードハーストがグラウンドに倒れ込むのを見たのは、2015年のラグビーワールドカップ、南アフリカ戦以来ではなかったか。全てを出し尽くしたリコーだったが、わずかに1点届かず、敗れた。

 

チャンピオンチームからの勝利は目前にあった。また、善戦は正面からぶつかり得たものでもあった。この戦いで、頂点までの距離を感じ、これから進むべき道を見すえた選手もいただろう。これからのリコーにとって大きなゲームだったことは間違いない。一方で、勝たなければいけない試合だったという、猛烈な歯がゆさも感じるゲームでもあった。今のリコーは十分にその力があるからだ。

 

後半戦、優勝を狙うことのできるトーナメントへの参加は決まっている。何度も優勝争いをしてきたチームの、ノックアウトステージにコンディションのピークを持っていくスキルや、目前の試合に対するコンセントレーションは一日の長がある。それを凌駕する勢いをつけていくために、リコーにとってここからの戦いはいっそう重要さを増すだろう。次節は3月27日(土)、12時からの秩父宮ラグビー場でのキヤノンイーグルスとのゲームとなる。

監督・選手コメント

神鳥裕之監督

今日はどうもありがとうございました。本当に悔しいです。しかし、チャンピオンチームである神戸製鋼さんに対して、観に来てくれる人や応援してくれる人たちに、感動や立ち向かう姿勢を伝えるような試合をしたいという思いで試合に臨んで、選手たちはそれを体現してくれたなと。本当にそう思います。ただ、この結果に満足するチームにはなりたくはないので、この1点差の重みを噛みしめて。まだまだシーズン続きますので成長していきたいと思います。

 

(開幕から起用しているメイン平選手が今日はインサイド(CTB/12番)に上がった。起用の狙いと評価などを)ポジション変更の理由は、12番を背負っていた濱野(大輔)のゲームタイムを考慮したローテーションがひとつ。あとはトライも獲ったマット マッガーンが前の試合で後半から出場しいいパフォーマンスを見せていたこと。メイン自身は12番がメインポジションなので適応は心配していませんでした。パフォーマンスについては見ていただいている通りですね。試合を重ねるごとに成長してきていると感じていますし、こういう若い選手をどんどん起用して、ここにいる(HO武井)日向もそうですけど、若い力をチームの中に入れて、活性化させていきたいというのは考えにありましたので、その中心的な役割を担ってくれていると思います。

(若い選手がローテーションで出場している。ベテランたち同様に計算できるところにきている?)このグラウンドに立っている以上は、当然競争に勝ち抜いている選手。それだけのいいパフォーマンスを見せてくれていると感じています。

SH山本昌太ゲームキャプテン

今日はホーム開催ということで、本当にたくさんのラグビーファンの方々の前でプレーできたことを嬉しく思います。試合に関しては、監督が言った通り悔しい結果になりました。今日の試合は相手どうこうではなくて、自分たちが80分間、何をするのか、どうあるべきかを話してゲームに入って。その部分については、80分間を通じてチャンピオンチームを相手にチャレンジし続けられたかなと思います。ただ、負けは負けなので。次の試合まで2週間あるので、この1点をどう埋めていくかをよく考え、しっかり準備して臨みたいなと思います。

 

(ゴール前などで粘り強く守った。勝ち続けているチームとも互角にやれることを証明したのでは。感触は?)そうですね。開幕から3試合、そして今日に至るまでにいろいろな学びがあって、それをチームとして成長につなげられているのかなと思いますし、ゴール前で粘るというところは、チームのスローガンでもBIGGA(Back In Game, Go Again.)という言葉を使って意識している相手よりも早く立ち上がり全員がグラウンドに立ち続けて戦うというところ。それは開幕から段々よくなっているかなと思います。今日の試合もそれがよくできたのかなと。

 

(どんなことにフォーカスして準備してきたか?)アタックであれば速くボールを動かす。ディフェンスであれば神戸製鋼さんのスキルに対抗するために、相手よりも速くセットした状態をつくるということを意識して準備してきました。

HO武井日向

この接戦を勝ち切れるチームに成長していきたいなと思います。これでシーズンが終わるわけではなくまだまだ続くので、本当に現状をしっかり受け入れて。なぜ勝ち切れないのかを追究して、またチーム一丸となって成長していきたいなと思います。

文:秋山健一郎

写真:川本聖哉

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