【Review】トップリーグ2021 第6節 vs NECグリーンロケッツ

2021.04.08

接戦経て磨かれたリコーらしさ。攻守一体、自信あふれるラグビーで優勢に戦う

接戦をタフに戦うも、あと一歩のところで勝利に恵まれず、1勝4敗と黒星が先行しているリコー。ファーストステージは残り2戦となった。今節のNECグリーンロケッツ、次節の日野レッドドルフィンズとの2試合は、優勝を懸けて戦うプレーオフトーナメントに向かうステップとして、結果も内容も問われるゲームとなる。

 

今節は共同主将の松橋周平がFLとしてラインナップに復帰。前節はリザーブスタートだったエリオット ディクソンがNO8に、同じくリザーブからの出場でインパクトを残してきたSH髙橋敏也も先発の座もつかんだ。若手ではCTB栗原由太も初のメンバー入りを果たした。

 

風下の陣地のリコーのキックオフで試合が始まる。キックを確保し自陣でボールを回すNECにノックオン。リコーに左中間、ゴール前のスクラムというチャンスがいきなり訪れる。(前半1分)

 

NECのアーリーエンゲージを経ながら、リコー優勢の状態でスクラムの組み直しが続く。数回目のスクラムでリコーは左から崩し前進、トライラインに迫る。崩し切るとエリオット ディクソンがピックゴーで広いサイドを突き、左中間にラックをつくる。すぐ右にパスアウトしたボールをCTBロトアヘアアマナキ大洋がキャリー。リリースしたボールをピックしたFLブロードハーストマイケルは、低い姿勢で滑りこむようにしてポスト左に持ち込みトライ。リコーが先制。CVも決まり7−0とした。(前半6分)

 

最初のトライが生まれた後は、再開のキックが蹴り込まれたリコー陣内で試合が進む。リコーは風下の自陣からボールを回して脱出を図ったがなかなかうまくいかない。突破口を開いたのはCTBロトアヘアアマナキ大洋。左中間の密集から展開されたパスを受けて、ディフェンスが少し乱れていた右中間を前へ。パスダミーを入れながらステップを刻み、周囲をよく見てゲインしていく。ハーフウェイを越えたあたりで倒されるが、NECにノットロールアウェイ。リコーはPKで敵陣深くに入っていく。(前半11分)

 

リコーは右サイド、22mラインのラインアウトを遠めで合わせキープする。モールを組むかに見せてFL松橋がボールを持ち出すと、そこにWTBネタニ ヴァカヤリアが走り込んでボールを受け鋭く抜け出す。タックルを受けるとHO武井日向につなぎ、武井がキャリー。ゴールまで5mまで前進すると左に出し、今度はNO8ディクソンが突進。さらに左に出し、左中間からSOアイザック ルーカスが3人飛ばしの山なりのパスを、大外のWTBキーガン ファリアに通す。ファリアは難なく左中間にトライ。CVも決まり14−0。(前半13分)

 

再開後、リコーは自陣でボールを回すが激しいディフェンスに遭いノットリリースザボール。PKでゴール前ラインアウトのピンチを迎える。NECはモールこそ押しきれなかったが、ボールをキープして22mラインの内側でアタックを仕掛ける。しかし、リコーはよく守ってランナーをタッチラインの外に押し出す。ボールを取り戻すとタッチキックを蹴ってエリアを押し戻す。(前半17分)

 

リコーは自陣浅めでNECのアタックを止めノットリリースザボールを奪うと、FL松橋がクイックリスタートで敵陣に入っていく。そこからつなぎ、HO武井日向がディフェンスを押し込みながら前に出ていく。中央のポイントから右に出してFLブロードハーストマイケルがゲインし22mライン突破。今度は左に展開して攻めるが、アクシデンタルオフサイドでNECスクラムに。だが、FLブロードハーストがスクラムからこぼれたボールに反応し、これを拾って前に出る。リコーがさらに攻めるとボールを奪いにきたNECにノックオン。リコーはスクラムを得る。

 

ほぼ中央、22mラインまであと少しの位置のスクラムを押しそのままドライブするとNECに反則、リコーにアドバンテージ。攻撃を続行するリコーだったが、スローフォワードが出たところでホイッスル。ショットを選択しPG成功。3点を追加し17−0とする。(前半23分)

 

再開後、リコーはNECのスローフォーワードでほぼ中央、自陣10mライン後方のスクラムを得て、これを起点にアタック。WTBロトアヘアアマナキ大洋、FBマット マッガーン、 CTBメイン平らが左サイドを使って攻めていった後、中央をキャリーしたPR西和磨が足をつかまれながらも粘って前に出る。右に走りこんだFBマッガーンがボールをもらって前へ。

 

敵陣に侵入すると、SOアイザック ルーカスがほぼ真横に走り、サイドを変えるとCTBロトアヘアアマナキ大洋にパス。アマナキ大洋は右中間を前に出るとFL松橋につないで22mラインを突破。ラックをつくると今度は左へと大胆に展開する。CTBメイン、NO8ディクソンから左サイド大外のFLブロードハーストまでつなぎゴール前へ運びラックに。

 

NO8ディクソンがラックのボールをピックすると、内側に走り込んだLOジェイコブ スキーンに片手でパス。これが通り、スキーンが左中間インゴールにトライ。自陣からフェイズを重ねながらの鮮やかな攻撃で、リコーがこの日3つめのトライ。CVは外れたが、22−0とさらにリードを大きくした。(前半27分)

 

蹴り込まれた再開のキックをリコーがこぼしノックオン。NECはプレーを切らずこのボールを使ってアタックする。リコーは22mライン付近、またその内側でディフェンスしていく。しかし、パスを奪いにいって再びノックオン。ほぼ中央でのNECのスクラムとなる。スクラムが回りあらわになったボールをSH髙橋が奪いにいくがオフサイド。NECはPGを狙い成功。22−3とする。(前半31分)

 

前半残り10分は一進一退の展開となったが、リコーが主導権を握る。NECにジャッカルを許す場面はあったものの、エリアはうまくコントロールし自陣深くへの侵入を許さない。NECのPKがデッドボールラインを割るというミスにも救われた。

 

最終盤、リコーは反則で前進しゴール前ラインアウトのチャンスをつかむと、そこからスクラムペナルティと獲りながらチャンスを継続させた。しかし、トライには至らず前半終了。それでもリコーは風下の陣地ながら3トライ、2ゴール、1ペナルティゴールとスコアを重ねることに成功した。

反撃受けるも、SH山本昌太のキックチャージ&トライで流れを引き寄せる

リコーはメンバー入替を行わずに後半へ。NECのキックオフで試合が再開する。リコーは開始早々のハーフウェイ付近の攻防でノットロールアウェイ。PKで前進を許してしまう。

 

自陣22mでのラインアウトとなるが、これをNO8ディクソンが奪う。このボールを使ってリコーがアタック開始すると、22mライン付近からSO アイザック ルーカスが追い風を使ってキックを蹴り込む。カウンターアタックを狙うランナーにリコーディフェンスが襲いかかると、オフロードパスがこぼれターンオーバー。

 

CTBロトアヘアアマナキ大洋のキャリーで左中間にポイントをつくると、スピーディーに右に展開。WTBヴァカヤリアが右サイドを抜け、22mライン付近までボールを運ぶ。サポートが入り右中間のラックをキープすると、走り込んだHO武井がボールを受けギャップを抜ける。ゴールまで10mほどのところでフォローしたPR笹川大五につなぎ、中央をさらに前へ。笹川は倒されるがここもなんとかボールをキープ。

 

左に出しSOアイザック ルーカスが仕掛けると猛烈なディフェンスに遭う。これを見て後方に走り込んだFLブロードハーストがボールをもらうと、キャリーを警戒するタックラーを引きつけ外のWTBファリアにパス。ファリアは左サイドのインゴールに達しトライ。自陣でのターンオーバーから愚直にフェイズを重ね、敵陣インゴールまでボールを運ぶ、リコーらしいアタックで後半最初のスコアを獲る。CVは外れたが27−3とした。(後半5分)

 

しかし、ここからNECが意地を見せる。自陣浅めのスクラムからボールをつなぎ前進すると、リコーにノットロールアウェイ。クイックリスタートで攻めさらに前進。ランナーが右サイドでステップを切ってリコーディフェンスを翻弄し、ゴール前までボールを運ぶ。

 

リコーはこのディフェンスでオフサイドを犯す。PKで右サイドのラインアウトにしたNECはモールを使うが、リコーが押し返し前進を阻む。やむなくボールを出すと、リコーのディフェンスのセットがわずかに遅れているのを見て左に展開。15番が人数の足りていない左サイドのギャップを抜けインゴールに飛び込んでトライ。CVは外れたが27−8。(後半11分)

 

NECはさらに攻める。守るリコーに頻発するオフサイドで得たPKを使いながら前進しゴール前へ進出。リコーはSH髙橋を山本昌太に入替。(後半13分)

 

リコーはトライラインを背負って激しく守るが、ラインオフサイドが出してしまい攻撃を断ち切れない。左中間でPKを得たNECはタップキックからリスタート。真っ直ぐFWで勝負をかける。リコーは人数をかけてこれに対抗。手を伸ばしてジャッカルも狙っていく。しかし、右サイドに生まれたスペースを見逃さなかったNECが展開。12番が飛び出してきたリコーディフェンスのタックルを外して右中間にトライ。CVも成功させて27−15とする。連続トライで点差を詰められたリコーは、LOロトアヘアポヒヴァ大和をデーモン レエスアスに入替。(後半15分)

 

再開のキックを深く蹴り込み、猛烈にプレッシャーをかけていくリコー。NECの風下からのキックはタッチを割らず、SOアイザック ルーカスがキャッチしリコーがアタック。ルーカスは右中間にグラバーキックを蹴り、再び敵陣中盤でのディフェンスの局面をつくる。

 

22mラインの少し内側のラックからボールを出し、後方の10番にパスを出すNEC。10番は左サイドのタッチラインを狙ってキックを蹴るが、そこに鋭く飛び出しチャージを狙ったのがSH山本だった。トライライン目前の位置で伸ばした手に当たったボールが跳ね、インゴールに落ちると同時に飛び込み、これを押さえてトライ。こぼれ球に反応して駆けつけたFL松橋も飛び跳ね、素直に喜びを表現した。

 

嫌なムードを吹き飛ばすトライでリコーがNECを突き放す。CVは外れたものの32−15。リコーはこのトライの後、PR西を千葉太一に、笹川を柴田和宏に入れ替えた。(後半19分)

 

再開後、映像確認で下されたリコーのハイタックルでPKを得たNECが前進。しかし、ラインアウトでリコーがまたもボールを奪取し攻撃の芽を摘む。SOアイザック ルーカスのキック後のディフェンスでFL松橋がジャッカルを決めるとPKで前進する。このゲインを足がかりに、リコーはしばらく敵陣でのプレーを続ける。しかし、反則が重ねてしまい再び自陣へ。ここでこじ開けにくるNECのアタックをしっかりと止め、ピンチにはせずに時間を経過させていく。

 

リコーは残り10分が近づいたところで、FL松橋をベン ファネルに、NO8ディクソンを柳川大樹に(後半29分)、CTBメインを栗原由太に入替(後半31分)。

 

自陣から攻めようとするNECのラックからこぼれたボールをSH山本が奪い、リコーがアタック。CTB栗原の思い切りのいいキャリーにサポートが入り左中間に優勢なラックをつくると、CTBロトアヘアアマナキ大洋がピックゴーしてゴールまで5mに迫る。さらに展開し中央をNO8ファネルがキャリー。その後もFWを使ってフィジカルに攻めていくが、NECのディフェンスのリロードは速く、なかなか割ることはできない。しかし粘り強く中央を攻めた後に右に展開。FBマッガーンから外のWTBヴァカヤリアにつなぎインゴールに持ち込んだが、ラストパスにスローフォワードの判定。トライは認められなかった。(後半33分)

 

再開のスクラムでリコーに反則。PKを蹴って少しだけ前に出たNECは、自陣ラインアウトから攻める。しかし、パスのタイミングが合わず胸で大きく跳ねたボールをリコーが直接キャッチして22mライン付近からアタック。右中間でSOアイザック ルーカスがボールを持ちディフェンスを集めると、大外のWTBヴァカヤリアにパス。ヴァカヤリアはタックルを1つ外し鋭く加速。右中間インゴールに達し2試合連続のトライ。CVは外れたが37−15とした。(後半36分)

 

最終盤もリコーは果敢に攻めていく。ややルーズになった相手ディフェンスを見て、スペースにボールを運びゲインしていく。ラスト2分を切って、相手ゴール前でスクラムを得ると左に大きく展開してトライを狙ったが、ここは阻まれノックオン。

 

相手スクラムからのアタックを受け止めると、再びラックでターンオーバー。最後まで集中力を切らさずどん欲にトライを狙っていくリコーだったが、最後はノックオンが出てノーサイドを迎える。リコーは第2節のヤマハ発動機ジュビロ戦以来の今季2勝目を挙げ、3トライ差以上の勝利で与えられるボーナスポイントも獲得。マンオブザマッチにはFLブロードハーストが選出された。

 

第6節を終え、ホワイトカンファレンス中位は混戦を極めている。リコーは前節まで3連敗を喫したものの、惜敗で得られるボーナスポイントを確保してきたことで総勝点は12まで伸びており8チーム中5位。4月10日(土)13時からの日野レッドドルフィンズとの最終節の結果によっては、3位まで順位が上がる可能性も残している。

ホワイト3位であれば、プレーオフ初戦の相手はレッドの6位。ホワイト4位ならレッド5位、ホワイト5位の場合はレッドの4位と戦うことになる。ホワイト6 位となれば、レッド3位との対戦となる。

 

共同主将を務めるFL松橋は「6週間後に(プレーオフトーナメントの)決勝がある。そこに行くためには、自分たちは何をするべきなのか」を選手間で話し、この試合に臨んだと記者会見で明かした。チームは頂点への道を信じ、しっかりと視野に入れている。

 

“神鳥リコー”が長きにわたり目指してきたスタイルをさらに多くの人に印象づけ、声援を背に受けながらトーナメントを駆け上がる。その未来を現実のものとするために、リコーブラックラムズはすべてを懸ける。

監督・選手コメント

神鳥裕之監督

今日はどうもありがとうございました。勝ちきれないゲームが続いていたのですが、その中でチームがドロップせずに選手たちが話し合いながら、もう一度リコーのスタイルというものを確認しあって、それを今日しっかり体現できたという意味で、本当に選手たちを誇りに思います。この1週間でいい準備ができたので、それがゲームにつながったのかなと思っています。最後に1戦残っていますので、ここも全力で戦ってトーナメントに向けていいゲームができるようにしていきたいと思います。

(コーチングにおいては、選手たちの主体性を重じているように映るが)グラウンドで体現するのは選手ですので、ここにいるFL/NO8松橋(周平)であったり、CTB濱野(大輔)、あとリーダーズグループの選手たちが中心になって、よく話しあってくれています。彼らとコーチングスタッフが、週の頭に〈同じページに乗る〉ためのミーティングをしています。基本的には選手たちが出してきたアイデアを尊重する。当然ケースバイケースではあるんですが、選手が考える力を尊重しながら、チームとしてコントロールしています。

(今シーズンはなかなか勝てなかったが、リコーらしさを見せている。選手主体の運営が根付いてきたということか)我々がいいラグビーができたときってどんなときかを考えてみると、みんなが同じページに乗っていて、松橋が言うようにいつも一生懸命で、必死になって戦ってようやく勝っているというとき。こういう態度がないと、我々はいいゲームできない。今は同じページに乗っているので、勝ちきれないときでも立ち戻るべき場所や態度がわかる。その上でプランのところを重ねていく。こういう順番でチームを見つめ直しているというのは、筋が通ってきているかなと私は感じます。

(リコーの熱心なサポーターについて)トップリーグの中でも一番熱心じゃないかなと感じていますし、何よりもそういった人たちに感動であったり一生懸命さであったりを伝えることで、このチームの魅力を高めていきたいと思っています。声を出せない中でも我々には十分届いているので、我々としてはそれに応えていく。そういう関係でチームを前に進めていければと思っています。

FL/NO8松橋周平共同主将

今日はありがとうございました。勝ててよかったです。監督もおっしゃっていたように、4試合接戦が続いて、僕たちとしてはあと少し何かが足りないと感じていました。〈あと少し〉だということはみんながわかっていたので、その少しを変えるためにこの1週間、プレーヤー、スタッフ、チーム一丸となって、準備の部分や姿勢の部分をもう一度振り返りました。お互いに高い要求をしあうとか。そういう部分を1つひとつクリアにして、いい準備ができたことで今日の結果に至ったのかなと思います。

試合は前半から自分たちらしさがずっと出せたのかなと思います。これが今季のリコーのラグビーなのかなというものをファンの皆さんに見せられたのがすごく嬉しかったです。途中乱れた部分もあったので、そこは修正しないといけない。そこは改善してまた来週、いい姿勢で臨みたいと思います。

(今日に向けて具体的に取り組んだことは。またブレイクダウンでの手応えなどを)僕らがスローガンを掲げているBIGGA(Back In Game, Go Again.)、ボールを持っていないときのアティテュード。それをどれだけ体現できるかが試合の結果を分ける。特に前回の試合のキヤノン戦では、スローガンを全く達成できていなかった。僕たちのBIGGAってなんなのか。皆が1人ひとりが責任を持って果たそうと認識した上で試合ができた。もうひとつプレイヤーズミーティングで話したのが、この後、勝って進むと6週間後には(プレーオフトーナメントの)決勝。そこに行きたいのであれば何をしなければいけないのかということです。そのためには、どんな犠牲を払うべきなのか。目指すラグビーのために、どう振る舞うべきなのか。それをもう一回認識した上で、1人ひとりの行動や準備をもう見直しました。この接戦が続く中で、変えなければいけない〈もう少し〉は、この2つだと思っています。

(風が強かったが、それに対しどんなプランを立てていたのか?)前半は風下のスタートだったので、しっかりアタックしようというと。ここ4試合はディフェンスの時間が長かったのですが、アタックしているときはすごいアタックができていたので、それを見せる時間を伸ばそうと。前半、風下のときはペナルティがあったらタップゴーして、自分たちのアタックの時間を増やしていくことができていたと思います。後半の風上は、とにかく相手陣でプレーすることを意識して。チャンスがあればしっかりアタックする。なければキックしてみんなで前に上がっていこうとしていました。

SOアイザック・ルーカス

まずは勝ててよかったです。過去数週間は僅差で敗れる残念な結果が続いていたので。1分から80分までコンプリートすることができたかなと。チームの勝利はすごく嬉しいです。

(2本目のトライの場面、面白いかたちでパスを出していた。振り返ってどんな感触だったか)FWのいいキャリーが続いて、ゲインラインもしっかり切れていて、そこでボールを呼び込んで。NECのWTBが少し詰めていたので、ループ気味の上から通すパスになりました。

(FW陣がよく働いてくれているが、SOとしてもやりやすいのでは)特に今日はFWがスキル――ショートパスとか、インサイドパスとか、そういうものをうまく使ってくれて、ゲインラインをしっかり越えることができました。そうなるとゲームコントローラーはクイックボールが使えて、正しいエリアでプレーを選択することができます。そういうラグビーを、試合を通してできたかなと思いました。

FLブロードハーストマイケル

80分しっかり戦えてよかったです。チームとしても80分間しっかり戦おうと話をしてきました。また、しっかりフィニッシュのところまでやろうということも。今日はそれがしっかりできたんじゃないかなと思います。

(BIGGAの実現のためにどういうことを意識したか)地面に寝ている時間を減らせば、ディフェンスであったらディフェンダー、アタックならアタッカーの人数が増えます。ディフェンスで速くセットすればするほどラインは前に上げやすくなりますし、アタックのセットが速ければそのオプションも増えます。だから人を立たせるんです。3、4人が地面に寝ているとアタックの形もつくれないですし、ディフェンダーが外にいないという状況ができてしまう。ワークレート、運動量のところですね。

(若い選手もそれを実現できている)今のリコーには若くていい選手が多くいて、シニアメンバーとしてもプレッシャーを感じています。パフォーマンスをしっかりしなければいけないと。若い選手が一生懸命やっているので、年上のメンバーがスターティングメンバーに入るのは簡単ではなくなっています。フロントローには2人、1年目の選手が出ていますが、それはすごい価値のあることだと思います。

文:秋山健一郎

写真:川本聖哉

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