第64弾:選手を支えるコーチ陣の横顔 1

Inside the RICOH BlackRams

2012.12.12

選手たちを日々サポートするコーチ陣。これまでのキャリアに関するエピソードはじめ、人となりなど、ファンの皆さんと普段あまり接する機会が少ないコーチ陣の横顔を紹介します。

リコーの企業スポーツに“イノベーション”を(レオン ホールデンヘッドコーチ(HC))

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 ヘッドコーチ就任2年目のシーズンを送るレオン ホールデンHCは振り返る。

「1年目はコーチングしつつも、観察に割く時間も多かったんです。リコーという会社がラグビー部に対し何を求めているのか、仕事はどのように進めるのか。選手については個々のキャリアステップ、どの大学でどんな経験をしてきたのか、どんなトレーニングを受けてきたのか、モチベーションがどこにあるのかなどを理解するよう務めました。今シーズンは、観察を経てわかってきたことをコーチングに生かすことで効率的に成果を得られていると思います」

この観察を通じて得た情報は、今シーズンから加わった新しいコーチングスタッフにすぐに共有された。日本のラグビー、リコーのラグビーについて、効率的に理解してもらうことで、最初の年からコーチングに集中してもらおうとホールデンHCは心がけている。

「日々仕事をしながらプレーする選手と、プロ選手が混在するリーグに所属するチームでの指導は、多くの外国人指導者は経験がありません。ただ、それが企業スポーツ。その形は大きくは変わらないという前提で、最善策を考え実行していく。それが私たちの仕事です。ある意味ではこれは新しい挑戦。だから新しい考え方も必要になってくる。コーチには“なぜこのやり方なのか”慎重に考えさせています」

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 トップリーグの形も、各チームの運営方針も毎年のように変化が続く中、外国人指導者が持つ経験やノウハウを、日本の環境に合わせ伝えていく手法は、まだ確立されていないといっていい。ホールデンHCも1年目は、日本のラグビー、そしてリコーのラグビーについての疑問は常に誰かに聞き、自分でも独自に調べる努力を続けたという。日本という特殊な環境で、新しいやり方で強いチームをつくる。ホールデンHCにとってのモチベーションはそこにある。

「リコーには新しいやり方を通じて、一番のチームになってほしいんです。どこかのチームを追うのではなくて、自分たちで道をつくっていくようなね。それを通じて、本当の自信を得てほしいとも思っています」

ホールデンHCは息子のハリソン君を地元・世田谷区の小学校とラグビースクールに通わせるなど、日本の文化との積極的な交流をしていることでも知られる。「学校では全校生徒で外国人は2名しかいないらしいんです。でも、彼には通訳をしてくれる人がいないから、僕よりも断然日本語はうまくなっていますよ」

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日本を知ろうと務め、それに合わせ自らの指導方法のヴァージョンアップを図るホールデンHCの姿勢が、リコーのラグビーに、そして広くは企業スポーツに“イノベーション”をもたらす日を心待ちにしたい。

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